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the capsule

thecapsule
戸田蓉子
アンカー 1

the capsuleは、漆作家である戸田蓉子さんが作り続けているメッセージカプセルが土台となっています。初めてその作品を見た時、「叶わない通信」というコンセプトが浮かびました。会いたくても会えない人に、もうこの世には存在しない誰かに、時空を超えて想いを届けてくれる魔法のポストのようなcapsuleを作りたいと思いました。

蓉子さんと1年以上にわたって話し合いました。こだわったのは、筒ではない形状と

封印がきちんとできること。金属素材を探求し、技術とデザインの狭間で頭を悩ませま

した。そして生まれたのがthe capsule(2022)です。

 

 

戸田蓉子さんからのメッセージです。

「この度、梶川由紀さんのディレクションによって、メッセージカプセルは幸せな変容を遂げました。

まず、横たわっていたカプセルが立ち上がりました。蝋燭の炎、お線香の煙、祈りというのは天に向かってゆくんじゃないか。由紀さんが大切にしてくれた、メッセージカプセルは実用性うんぬんというよりも、想いを伝える手紙を入れるものであってほしい、そんなところからの発想でした。

そして初めての錫という素材。頑丈な金属でありながらも柔らかさもあわせ持つ、不思議な錫という素材の質感、そこにとろりとした漆をかけ合わせました。金属と漆という組み合わせは、歴史を遡れば武具などにも使われていました。漆には金属の腐食を防ぐ作用もあるためです。

今回、漆は内側に塗ったものと外側に塗ったものがあります。外側に塗られた漆は化粧のように。内側に塗られた朱漆は想いを守るものとして。

外側の錫が時を経て黒く錆び鈍い光を放つようになっても、変わらず朱く、より朱く。

赤い糸で繋がった想いを、時空を超えて守り続けてくれることと思います。」

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